【脳卒中 リハビリ】家族の支えで差が出る!在宅でできるトレーニングと専門介入のポイント
脳梗塞や脳出血の後、半身麻痺・痙縮・歩行障害・肩痛などで生活が一変します。理学療法士の視点から、回復期〜生活期で「家族が今日からできる支援」と「専門家が介入すべき領域」を、エビデンスと現場経験に基づいて解説します。
目次
1. 脳卒中の特徴(家族が押さえるべき要点)
- 運動麻痺:片側の筋力低下や巧緻性低下。廃用(使わないことでの機能低下)に注意。
- 痙縮(けいしゅく):筋緊張の亢進により関節が硬くなりやすい。ROM維持が重要。
- 感覚・注意の偏り:半側空間無視や体性感覚低下で転倒リスクが上がる。
- 肩の痛み・亜脱臼:麻痺側上肢の扱い方で悪化も改善もする。吊り上げ介助はNG。
- 疲労・持久力低下:短時間×高頻度の練習が合う。休息と水分補給を計画的に。
2. 在宅でできるトレーニング・ストレッチ・ケア
(1)関節可動域(ROM)と痙縮予防
- 肩:肩甲胸郭リズムを意識し、外旋・外転方向の軽い他動〜自動介助運動。
- 肘・手指:手掌の開き、回内・回外の軽運動。痛みが出る手技は回避。
- 股・膝・足:足関節背屈可動域の維持(尖足予防)。
(2)座位〜立位バランス
- 座位での骨盤前後傾運動→側方荷重移動→端座位でのリーチ。
- 立位での左右荷重→前後ステップ→壁タッチで重心移動。
(3)歩行の素地づくり
- 麻痺側立脚時間を延ばす意識。短距離×複数セット。
- 杖・歩行器など補助具の段階的調整(自己判断で外さない)。
家族の声かけ例:「ゆっくり吸って、吐きながら一歩」「かかとから着いて、つま先で蹴ろう」—リズム付与は歩容の安定に有効です。
3. 専門的アプローチ(理学療法士による介入)
- PNF(固有受容性神経筋促通法):対角線パターンで麻痺側の促通。
- BWS歩行:体重免荷(Body-Weight Support)下での歩行再建。
- FES:機能的電気刺激で背屈や伸展のタイミングを補助。
- 肩の亜脱臼ケア:スリング適正化、肩甲帯のアライメント再教育。
- 失行・半側空間無視:視覚的キュー、鏡療法、課題指向型訓練。
※医師の指示・禁忌を確認し、個別評価(筋緊張、関節拘縮、痛み、認知・注意)にもとづいて処方します。
4. RioToRe顧客の体験談:ビフォーアフター
ケース:渋谷区在住・82歳女性(脳梗塞・右片麻痺)
Before:自宅内の移動は手すり必須。右上肢の痙縮が強く、肩痛で着替えに介助が必要。屋外歩行は不安定で50mで休憩。
介入:PNFパターンで体幹〜下肢の促通、肩甲帯のアライメント再教育、BWS下でのトレッドミル歩行、在宅の短時間反復メニュー(5〜7分×1日3セット)。
After(8週間):屋外歩行が200m連続に延伸。肩痛のNRSが6→2へ低下。上衣の着脱は見守りレベルまで改善。ご家族の声かけで練習頻度が維持できたことが決め手でした。
5. 家族がやりがちなNGと正しい支援
- 過介助:全部やってしまう→自立の機会を奪う。「見守り」と「必要最小限の介助」へ。
- 痛みを無視:痛み我慢は逆効果。痛み0〜3/10で調整。
- 自己判断の補助具卒業:転倒リスク大。段階表を用いて理学療法士と共有。
6. RioToReの出張リハビリ:ご自宅で国家資格者が伴走
RioToReは、国家資格・理学療法士がご自宅や施設へ訪問し、医学的評価に基づく個別プログラムをご提供します。脳卒中後の痙縮管理、歩行再建、肩痛対策まで、家族の関わり方も含めて伴走します。
ご家族と一緒に“今日から続く”在宅リハビリを。
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7. よくある質問
Q. 週何回が理想ですか?
A. 初期は週2〜3回の専門介入+自宅での短時間反復(1日2〜3回)が効果的です。
Q. ボツリヌス治療と運動の併用は?
A. 痙縮軽減後の可動域拡大と運動学習は相乗効果が期待できます。医師と連携してタイミングを調整します。
Q. 介護保険サービスとの併用は?
A. 併用可能です。自費リハの強みは時間・内容の自由度と専門性の深さにあります。
8. まとめ
- 脳卒中リハビリは「短時間×高頻度」での運動学習が鍵。
- 家族は過介助を避け、声かけと安全管理を担う。
- 痙縮・歩行・肩痛などは専門家の評価・介入で改善速度が上がる。
ご家族だけで抱え込まず、理学療法士と二人三脚で回復曲線を最短化しましょう。