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2025.05.09   シニアの健康情報

高齢者の筋力低下を防ぐには?効果的なトレーニングと対策

※本記事は、理学療法士/パーソナルトレーナーの八幡 亮が監修しています。
リハビリ病院やオーストラリアのフィットネス業界での経験を持ち、高齢者の身体機能改善や自費リハビリに精通した専門家が、正確かつ実践的な情報をお届けします。







高齢者の筋力低下を防ぐには?効果的なトレーニングと対策

高齢者の筋力低下を防ぐには?効果的なトレーニングと対策

年齢を重ねると、誰しも避けられないのが「筋力の低下」です。特に高齢者にとって筋力低下は、転倒・寝たきり・介護状態への移行を招くリスク要因となるため、早期からの予防・対策が重要です。本記事では、筋力低下の原因、放置するリスク、効果的なトレーニング方法を、理学療法士の視点からわかりやすく解説します。

高齢者の筋力低下とは?

加齢とともに筋肉の量は自然に減少していきます。20代をピークに、年に1〜2%ずつ減っていき、80代ではピーク時の半分近くになることもあります。この現象を「サルコペニア」と呼びます。

筋力が低下すると、次のような問題が生じます:

  • 立ち上がるのに時間がかかる
  • 歩行が遅くなり、つまずきやすくなる
  • バランスを崩しやすくなり、転倒のリスクが高まる
  • 疲れやすく、外出機会が減る

これらは日常生活に大きく影響を及ぼし、活動量が減ることでさらに筋力が落ちるという「負の連鎖」に陥ることになります。

筋力低下の主な原因

  1. 加齢
    自然な老化現象によって筋肉の合成力が低下します。
  2. 活動量の減少
    運動や外出が少ない生活を送っていると、筋肉は使われず萎縮していきます。
  3. 栄養不足
    たんぱく質やビタミンDの摂取が不足していると、筋肉を維持できません。
  4. 病気や入院
    病気で動けない期間があると、たった数日で大幅な筋力低下が起こることもあります。

筋力低下を放置するとどうなる?

筋力の低下は、単に「体力が落ちた」というだけでは済まされません。転倒して骨折すれば、入院や手術が必要となり、そのまま介護が必要になることもあります。特に女性や高齢者は骨粗鬆症の傾向があり、大腿骨骨折のリスクが高くなります。

さらに、筋肉量の減少は免疫力の低下や糖尿病・心疾患の悪化にもつながります。つまり、筋力を保つことは「健康寿命の延伸」と直結するのです。

理学療法士がすすめる!高齢者のための筋力トレーニング

安全で効果的な筋力トレーニングを行うためには、以下のようなポイントを意識しましょう。

1. 椅子スクワット

椅子に浅く座り、手を使わずに立ち上がる→ゆっくり座るを繰り返します。
膝がつま先より前に出ないよう注意し、10回を1セットにしましょう。

2. つま先立ち

壁や椅子の背を支えにして、つま先で立ち上がる→ゆっくり下ろすを繰り返します。
ふくらはぎを鍛え、血流改善や歩行力向上に役立ちます。

3. 足上げトレーニング

椅子に座り、片足を床から上げて2〜3秒キープし、交互に繰り返します。
腸腰筋を鍛え、歩行時の足の運びを滑らかにします。

4. ゴムバンド運動

セラバンドなどのトレーニング用ゴムを使い、足の開閉運動や腕の引き寄せ運動を行います。
軽い負荷で安全に筋力強化が可能です。

これらは自宅で簡単にでき、週3回程度、1回15〜20分を目安に続けることで徐々に効果が現れます。

筋力トレーニングを継続するためのコツ

  • 毎日同じ時間に行う習慣を作る
  • 無理をしない、体調が悪い日は休む
  • 家族や友人と一緒に取り組む
  • 結果を記録して可視化する(例:何回できたか)

運動は継続が何より大切です。「やりすぎ」よりも「やめない」ことを意識しましょう。

栄養面からのサポートも重要

筋肉をつけるには、トレーニングだけでなく「食事」も大切です。特に以下の栄養素を意識しましょう:

  • たんぱく質:筋肉の主成分。肉、魚、卵、大豆製品などから毎食しっかり摂取。
  • ビタミンD:カルシウムの吸収を助け、筋肉機能にも関与。日光浴や魚介類から摂取。
  • カルシウム:骨を丈夫に保ち、転倒時の骨折予防に。

専門家のサポートで安全・効果的なトレーニングを

ご自身でのトレーニングに不安がある場合や、既に膝や腰に痛みがある場合は、理学療法士やトレーナーの指導を受けることをおすすめします。身体機能を専門的に評価したうえで、最適なメニューを提案してくれます。

特に、高齢者のリハビリや介護予防に特化した出張トレーニングサービスなどを活用すると、自宅で安全に運動を継続できます。

まとめ:高齢者の筋力低下は「気づいた今」から対策を

高齢者の筋力低下は、誰にでも起こり得る自然な現象ですが、予防も改善も可能です。毎日のちょっとした運動と食事の工夫が、未来の自分を守ります。

「最近疲れやすい」「歩くのが不安になってきた」と感じたら、それは対策を始めるチャンスです。今日からできる一歩を、ぜひ踏み出してみてください。

高齢者(シニア)に人気の出張トレーニング

高齢者の筋力低下を予防し、健康で自立した生活を送るためには、日常的な運動やリハビリが欠かせません。

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【監修者プロフィール】

八幡 亮(やわた りょう)
国家資格:理学療法士(PT)

RioToRe代表。
回復期リハビリテーション病院に4年間従事した経験を持ち、整形外科疾患・脳血管疾患・内部疾患など幅広い症例に対応。その後はオーストラリアに渡りパーソナルトレーニングと指圧マッサージセラピストとして活躍。現在は高齢者専門の予防医療を専門に、訪問型のパーソナルトレーニング・自費リハビリのサービスを提供している。

理学療法士トレーナー/八幡亮

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