- こんにちは。RioToReの理学療法士の八幡です。
今回は近年、問題視されているフレイルについてです。
多くの高齢者のトレーニング・リハビリをサポートしてきた理学療法士トレーナーの視点から解説していきたいと思います。
フレイルとは? 理学療法士の視点から見たその重要性
フレイルは、加齢とともに身体的・精神的・社会的な機能が低下し、健康状態が不安定になる状態を指します。これは健康と要介護状態の中間に位置する概念であり、特に高齢者においては重要な問題です。フレイルの進行を予防・遅延させることは、QOL(生活の質)を維持し、介護状態への移行を防ぐために非常に重要です。
フレイルの特徴
フレイルは、以下のような3つの主要な要素に分けて考えることができます。
- 身体的フレイル: 筋力低下、体重減少、歩行速度の低下、疲れやすさが含まれます。
- 精神的フレイル: 認知機能の低下や抑うつ傾向が特徴です。
- 社会的フレイル: 孤立感や社会的な役割の喪失が主な要因となります。
これらの要素は相互に関連しており、身体的なフレイルが精神的・社会的なフレイルを引き起こし、その逆もまた然りです。そのため、フレイル対策は多面的にアプローチする必要があります。
フレイル予防の重要性
フレイルを予防することは、高齢者の生活の質を向上させるだけでなく、医療費の抑制にも寄与します。特に、筋力の維持と栄養状態の管理が重要です。
1. 筋力トレーニング
筋力低下はフレイルの中心的な問題であり、これを防ぐためには定期的な筋力トレーニングが推奨されます。理学療法士としては、個々の能力や健康状態に応じた運動プログラムを設計し、無理なく継続できる方法を指導することが求められます。
2. 栄養管理
フレイルの予防には、バランスの取れた食事が不可欠です。特に、たんぱく質の摂取が筋肉量の維持に重要です。理学療法士は、栄養士と連携し、患者の栄養状態を評価し、必要に応じて栄養指導を行うことが求められます。
3. 社会参加の促進
社会的フレイルを予防するためには、地域社会とのつながりを維持し、孤立を防ぐことが重要です。理学療法士は、患者が地域の活動に参加できるようサポートし、社会的な役割を再確立する手助けを行います。
フレイル評価の手法
フレイルの評価には、さまざまなツールが用いられます。代表的なものとしては、以下が挙げられます。
- Friedのフレイル基準: 体重減少、筋力低下、疲労感、歩行速度低下、身体活動の低下の5項目で評価されます。
- SARC-F: 筋力、歩行、立ち上がり、階段昇降、転倒の5項目を自己申告で評価します。
- 簡易フレイル評価(J-CHS): 日本人向けに開発された評価ツールで、体重減少、筋力、疲労感、歩行速度、身体活動の低下の5つの項目で評価します。
これらのツールを用いることで、早期にフレイルを発見し、適切な介入を行うことが可能になります。
理学療法士の役割
理学療法士は、フレイル予防および管理において中心的な役割を果たします。個々の患者に合わせた運動プログラムの提供、栄養状態のチェック、社会参加の促進など、多岐にわたるアプローチを通じて、患者の健康維持をサポートします。
また、フレイルに対する知識を広めることも重要な役割です。地域での講習会や啓発活動を通じて、一般の人々にフレイルのリスクや予防法について理解を深めてもらうことが求められます。
高齢者の10%以上がフレイル⁉︎
フレイルの割合は年齢や地域によって異なりますが、日本における高齢者(65歳以上)の約10%から15%がフレイルとされています。さらに、前段階であるプレフレイルの状態にある高齢者は、約30%から40%にのぼると言われています。これらの割合は、加齢とともに増加する傾向にあります。フレイルの予防と早期介入が重要です。
結論
フレイルは、高齢者にとって重大な健康問題であり、その予防と管理には理学療法士の専門的な知識と介入が不可欠です。早期のフレイル発見と適切な介入を通じて、高齢者が健康で自立した生活を送るための支援を行うことが、理学療法士の重要な使命となります。
これからも、フレイルの予防・管理に向けた取り組みを積極的に進め、社会全体で高齢者の健康を守る体制を整えていくことが必要です。
フレイル対策のトレーニングで早期改善を
RioToReでは、フレイルの予防と改善を目的とした理学療法士による出張トレーニングサービスを提供しております。お客様のご自宅で個別に対応し、安全で効果的な運動プログラムを作成いたします。
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