シニアの健康情報

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2024.05.02   シニアの健康情報

認知症予防に効果的な習慣とは?理学療法士が解説

こんにちは、RioToReの理学療法士の八幡です。
今回は認知症に対する予防について ご紹介します。

高齢化社会が進む日本では身近な存在になりつつある認知症ですが、実は運動や食事によって認知症発症のリスクを低減させることができます。以下に認知症を予防するための運動・食事の重要性についてそれぞれ解説していきます。

認知症の予防や改善には運動と脳トレの相関性があり、複数の研究が行われています。一般的には、運動が脳の健康に良い影響を与えるとされています。具体的には以下のような点が挙げられます。

運動が脳に良い影響を与える点

1. 脳の血流と栄養供給の改善

運動は血流を改善し、脳に酸素や栄養素を効果的に供給します。これにより、脳の機能が維持されることが期待されます。

2. 神経細胞の生成

運動は神経細胞の生成を促進することが示唆されています。新しい神経細胞の生成は、認知機能や記憶力の改善に関連しています。

3. ストレス軽減

運動はストレスを軽減する効果があります。ストレスが軽減されることで、認知機能の改善や精神的な健康状態の向上につながる可能性があります。

4. 認知症予防

運動は認知症の予防にも効果的であるとされています。定期的な運動が、認知症のリスクを低減するという研究結果もあります。
適度運動の継続による認知症予防について

これらの点から見ると、高齢者においても運動は脳の健康に良い影響を与えることが期待されます。ただし、個々の状況や健康状態によって適切な運動内容や強度は異なりますので、医師や理学療法士等の専門家と相談しながら適切な運動プログラムを選択することが重要です。

それでは認知症予防の為には具体的にどのような運動をすれば良いのでしょうか。
以下におすすめのトレーニング方法をまとめました。

おすすめのトレーニング方法

1. 有酸素運動

厚生労働省は成人は1日60分以上のウォーキング・サイクリング・水中歩行などの運動を週2〜3回程度行うことを推奨しております。65歳以上の高齢者は、1日40分以上の運動を週2〜3回を推奨しております。身体活動や運動量が多い人は少ない人と比較して、循環器病やがん、うつ病、認知症などの発症・罹患リスクが低いことが報告されています。特に運動しながら頭を使うと、認知機能維持・低下予防にも効果があるといわれていますので、より認知症予防に効果を期待できます。忙しくて運動する時間がないという方も、「今より10分多く身体を動かす」ことを意識してみましょう。「今より10分多く」を意識して日常に運動習慣を取り入れ、慣れてきたらジョギングやランニングに挑戦してみるなど、運動時間を伸ばしていくとよいでしょう。
認知症予防の為に有酸素運動を行う高齢者
参照:厚生労働省「標準的な運動プログラム(健康増進施設)」

2. 筋力トレーニング

– 軽いウエイトトレーニング
– 自重トレーニング
認知症予防の為に筋力トレーニングをする高齢者

3. バランストレーニング

– バランスボールを使ったエクササイズ
– 片足立ちや歩行時のバランス練習
認知症予防の為のバランストレーニングをする高齢者

4. 認知トレーニング

– クロスワードパズルや数独
– 記憶力を鍛えるゲーム
– 新しいスキルの学習
認知症予防の為にクロスワードパズルを行う高齢者

5. ソーシャルトレーニング

– 友人や家族との交流
– コミュニティ活動やボランティア活動
高齢者が友人と戯れる

これらのトレーニング方法は、運動と脳トレを組み合わせて行うことで認知症の予防や改善に効果的です。個々の健康状態や能力に合わせて計画を立て、定期的に取り組むことが大切です。

理学療法士による運動指導がお勧め

身体のプロフェッショナルである理学療法士による運動指導は認知症予防に深く寄与します。

1. 適切な運動プログラムの設計

理学療法士は、個々の患者の状態やニーズに合わせて適切な運動プログラムを設計することができます。認知症の進行度や身体的な制約を考慮しながら、効果的な運動プランを提供します。

2. 安全な運動環境の確保

理学療法士は、安全な運動環境を確保するための専門知識を持っています。これにより、怪我や事故のリスクを最小限に抑えながら、効果的な運動を行うことができます。

3. モチベーションと継続性の促進

理学療法士は、患者のモチベーションを高め、運動を継続するためのサポートを提供します。定期的な指導やフィードバックを通じて、患者が運動を続ける意欲を高めます。

4. 運動効果の最大化

理学療法士は、運動の効果を最大化するためのテクニックや知識を持っています。個々の身体の姿勢や動作を細かく評価し、最適な運動メニューを提供&指導することで、運動の効果を向上させることができます。

5. 心身の健康を総合的にサポート

理学療法士は、身体的な側面だけでなく、精神的な側面も含めて、患者の心身の健康を総合的にサポートします。ストレス軽減やリラクゼーションのための運動指導も行い、認知症予防に有益な環境を整えます。

以上の理由から、理学療法士による運動指導は認知症予防に大きく貢献することが期待されます。

認知症予防の為の脳に良い食事

認知症予防の為の脳に良い食事には以下のようなポイントがあります

1. バランスの取れた食事

食事はバランスの取れたものが重要です。主食、主菜、副菜を含む食事バランスガイドを参考に、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルを適切に摂取するように心がけましょう。
認知症予防の為のバランスの良い食事

2. Omega-3脂肪酸

魚介類やナッツ類などに多く含まれるOmega-3脂肪酸は、認知症予防に役立ちます。特に、EPAとDHAは脳の健康に良い影響を与えます。
認知症予防の為の魚介類の食事

3. 抗酸化物質

カロテノイド、ポリフェノール、ビタミンCやEなどの抗酸化物質を含む食品を摂取することで、細胞の老化や酸化ストレスを抑制し、認知症予防につながります。
認知症予防の為のポリフェノール

4. ビタミンB群

特にビタミンB12と葉酸は、神経細胞の健康維持に重要です。肉類、魚介類、乳製品、穀物などから摂取しましょう。
認知症予防の為の肉類

5. 低GI食品

グリセミックインデックス(GI)が低い食品を選ぶことも重要です。低GI食品は血糖値の急激な上昇を抑え、認知症リスクを低減させる効果があります。
認知症予防の為の低GIの食事

6. 水分摂取

十分な水分を摂取することも大切です。脱水は認知症のリスク因子となることがありますので、水分補給を忘れずに行いましょう。
認知症予防の為に水分補給をする高齢者

7. 食事のバラエティ

食事のバリエーションを豊富にすることで、様々な栄養素をバランスよく摂取できます。季節の野菜や果物を積極的に取り入れることを心がけましょう。
認知症予防の為のバランスのとれた食事

これらのポイントを意識した上で、定期的な運動やストレス管理、良質な睡眠などと合わせて、認知症予防に取り組むことが大切です。

まとめ

認知症の発症そのものを完全に防ぐことは、現代の医療では難しいと考えられています。ですが、日頃の生活習慣を見直すことで、認知機能の低下・認知症発症のリスクを低減させることは可能です。今回ご紹介した、運動・食事・生活習慣の改善をぜひ参考にしてみてください。

参照:WHOガイドライン「認知機能低下および認知症のリスク低減」

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