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2024.06.23   疾患別 記事

変形性膝関節症のリハビリとケア方法、日常生活での注意点を理学療法士トレーナーが解説

こんにちは、RioToReの理学療法士トレーナーの八幡です。
今回は変形性膝関節症についてです。

変形性膝関節症(OA)は、多くの人々が直面する慢性的な膝の痛みや不快感を引き起こす疾患です。理学療法士として、患者さんが日常生活をより快適に過ごすためのリハビリやケア方法について解説します。

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、関節軟骨の摩耗や損傷によって引き起こされる疾患です。年齢と共に発症リスクが高まり、特に50歳以上の人々に多く見られます。以下のような症状が見られることが一般的です。

  • 膝の痛み
  • 膝の腫れ
  • 関節のこわばり
  • 関節の可動域の制限
  • 音が鳴る(クラック音)

リハビリの基本方針

1. 筋力強化

変形性膝関節症のリハビリにおいて、筋力強化は非常に重要です。特に大腿四頭筋やハムストリングス、臀部の筋肉を強化することが膝への負担を軽減します。

変形性膝関節症の具体的な筋トレ・リハビリ方法はこちら

大腿四頭筋の強化エクササイズ

  • シットトゥスタンド: 椅子に座り、ゆっくり立ち上がる動作を繰り返す。膝に負担をかけずに行うことがポイントです。
  • ストレートレッグレイズ: 仰向けに寝て、一方の脚をまっすぐ伸ばしたまま持ち上げる。このとき、腰が反らないように注意します。

ハムストリングスの強化エクササイズ

  • レッグカール: 仰向けに寝て、膝を曲げながら脚を持ち上げる。座った状態でも行えるエクササイズです。
  • ブリッジ: 仰向けに寝て、膝を曲げて足を床につけた状態で腰を持ち上げる。このとき、肩から膝までが一直線になるようにします。

2. 柔軟性の向上

関節の柔軟性を維持することも重要です。ストレッチを日常的に行うことで、関節の可動域を広げ、痛みの緩和につながります。

ストレッチエクササイズ

  • ハムストリングスストレッチ: 座った状態で脚を前に伸ばし、つま先に手を伸ばす。
  • 大腿四頭筋ストレッチ: 立った状態で一方の脚を後ろに曲げ、足首を手でつかむ。

3. 有酸素運動

軽い有酸素運動も膝関節の健康維持に効果的です。関節にかかる負担を最小限に抑えながら、心肺機能を向上させる運動を選びましょう。

おすすめの有酸素運動

  • ウォーキング: 平坦な道をゆっくりと歩く。坂道や階段は避ける。
  • 水中ウォーキング: 水の浮力が膝への負担を軽減してくれます。
  • サイクリング: 固定式バイクを使用し、軽い負荷で漕ぐ。

ケア方法

1. 痛みの管理

痛みがひどい場合は、冷却や温熱療法を取り入れることで症状の緩和が期待できます。

冷却療法

  • アイスパック: 痛みや腫れがある場合に、アイスパックを膝に当てる。1回あたり15〜20分を目安に行います。

温熱療法

  • ホットパック: こわばりや痛みの緩和を目的に、ホットパックを膝に当てる。1回あたり15〜20分を目安に行います。

2. サポーターやブレースの使用

膝の安定性を向上させるために、サポーターやブレースを使用することも有効です。特に運動時や長時間の活動時にサポーターを装着することで、膝への負担を軽減します。

3. 体重管理

体重が増えると膝への負担が大きくなります。適正体重を維持することで、症状の悪化を防ぐことができます。

ダイエットのポイント

  • バランスの取れた食事: 栄養バランスを考慮し、適量の食事を摂る。
  • 食物繊維の摂取: 野菜や果物を多く取り入れる。
  • 過度な糖質や脂質の摂取を控える: 体重増加を防ぐため、過剰な摂取を避ける。

日常生活での注意点

1. 正しい姿勢を保つ

膝への負担を軽減するためには、正しい姿勢を維持することが重要です。

姿勢のポイント

  • 立つとき: 膝を軽く曲げ、体重を均等に分散させる。
  • 座るとき: 膝と腰を直角に保ち、足の裏全体を床につける。
  • 歩くとき: 踵から着地し、足全体で地面を押し出すように歩く。

2. 無理のない動作

膝に負担をかけないよう、無理のない範囲での動作を心がけましょう。特に重い物を持ち上げるときや階段の上り下りには注意が必要です。

動作の工夫

  • 重い物を持つとき: 膝を曲げて腰を落とし、物を持ち上げる。
  • 階段の上り下り: 手すりを使い、ゆっくりと慎重に動作を行う。

3. 靴の選び方

適切な靴を選ぶことで、膝への負担を軽減することができます。クッション性があり、足にフィットする靴を選びましょう。

靴のポイント

  • クッション性: 歩行時の衝撃を吸収する。
  • フィット感: 足にしっかりとフィットし、滑らない。
  • サポート力: アーチサポートがある靴を選ぶ。

変形性膝関節症に対する生活環境の整備

変形性膝関節症の症状を軽減するためには、生活環境の整備も重要です。家庭内や職場での工夫を通じて、膝にかかる負担を減らすことができます。

家庭内での工夫

  • 椅子とテーブルの高さ: 膝が直角に曲がる高さの椅子を使用し、長時間の座位でも膝に負担がかからないようにします。
  • バスルームの手すり: 浴室やトイレに手すりを設置し、立ち上がる際のサポートを行います。
  • 床の滑り止め: 滑りやすい床には滑り止めマットを敷き、転倒を防止します。

職場での工夫

  • デスクと椅子の調整: デスクワークの場合、椅子の高さを調整し、足が床にしっかりとつくようにします。
  • 頻繁な休憩: 長時間同じ姿勢でいることを避け、定期的に立ち上がって軽いストレッチを行います。
  • 適度な運動: 昼休みなどを利用して軽いウォーキングを行い、膝の血行を促進します。

医療機関でのサポート

変形性膝関節症の管理には、定期的な医療機関での診察も欠かせません。医師や理学療法士の指導を受けながら、適切な治療とリハビリを続けることが重要です。

理学療法士の役割

理学療法士は、個々の患者に合わせたリハビリプログラムを作成し、運動療法や物理療法を通じて症状の緩和と機能回復をサポートします。また、日常生活でのアドバイスや指導を行い、膝への負担を減らすための方法を提供します。

医師の診察と治療

医師は、膝関節の状態を定期的にチェックし、必要に応じて薬物療法や注射療法を行います。場合によっては手術が必要となることもありますが、患者の状態や希望に応じて最適な治療法を選択します。

リハビリテーション施設の利用

リハビリテーション施設では、専門的な機器や環境を利用して効果的なリハビリを行うことができます。施設の利用を検討することで、家庭ではできない高度なリハビリを受けることが可能です。

まとめ

変形性膝関節症は、適切なリハビリとケアを行うことで症状を管理し、生活の質を向上させることができます。筋力強化、柔軟性の向上、有酸素運動の取り入れに加え、生活環境の整備や正しい姿勢、適切な靴の選び方を実践することが重要です。また、医療機関での定期的な診察とリハビリも欠かせません。

日常生活での工夫を通じて、膝への負担を軽減し、快適な生活を送るためのサポートを続けていきましょう。理学療法士として、患者さん一人ひとりに合ったサポートを提供し、変形性膝関節症との上手な付き合い方を共に考えていきます。

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変形性膝関節症のリハビリ
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