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2024.10.02   シニアの健康情報

高齢者の廃用症候群について | 理学療法士トレーナーが解説

こんにちは。出張トレーニング×ボディケアRioToReの理学療法士トレーナーの八幡です。

今回は高齢者の廃用症候群についての記事をまとめました。医療機関やパーソナルジムで多くの高齢者のリハビリ、トレーニングを経験してきた理学療法士トレーナーの視点から解説していきます。

 

高齢者の廃用症候群について 理学療法士トレーナーの視点から

目次

1. 廃用症候群とは?

廃用症候群の女性
廃用症候群とは、長期間の安静や活動量の減少によって、身体や心身の機能が低下する状態を指します。高齢者は、病気やけがで入院することが多く、活動量が著しく減少することでこの症候群を発症しやすくなります。筋力低下や関節の硬直、さらには認知機能の低下など、身体全体に影響を与えるため、日常生活の自立が困難になることがあります。

2. 廃用症候群の原因とリスク要因

廃用症候群の主な原因は、長期間の安静や動かない生活です。高齢者においては、次のようなリスク要因が影響します。

  • 入院や手術後の長期ベッド生活
  • 慢性疾患による体力低下
  • 転倒への恐れによる活動の制限
  • 介護環境による過剰なサポート
  • 心理的な要因(うつ状態など)

高齢者は、筋力や骨密度の低下が進んでいるため、短期間の安静でも廃用症候群を発症するリスクが高くなります。また、活動量の減少により心肺機能が低下し、全身の代謝機能にも悪影響を及ぼします。

3. 廃用症候群が高齢者に与える影響

廃用症候群が高齢者に与える影響は広範囲にわたります。以下のような身体的、精神的な症状が現れ、日常生活に大きな支障をきたすことが多いです。

    • 筋力低下:特に下肢の筋力が低下し、歩行が困難になります。これにより、転倒のリスクが増大し、自立した生活が難しくなります。

廃用症候群によって歩行が困難となった女性

    • 関節の拘縮:長期間動かさない関節は硬直し、可動域が狭まるため、日常生活動作(ADL)が制限されます。例えば、椅子から立ち上がる、床から物を拾うといった動作ができなくなります。

立ち上がることが困難な廃用症候群の男性

    • 骨密度の低下:活動が減少すると、骨への負荷も減るため、骨密度が低下し、骨折のリスクが高まります。特に高齢者に多い骨粗しょう症が進行する危険性があります。

骨粗鬆症で骨密度が低下した廃用症候群の高齢者

    • 心肺機能の低下:運動不足により、心臓や肺の機能が弱まり、持久力や呼吸の効率が低下します。これにより、少しの運動でも息切れや疲労感を感じるようになります。

少しの運動で疲れてしまった廃用症候群の高齢者

  • 精神的な影響:活動量の減少に伴い、社会的な孤立感やうつ状態が発生しやすくなります。また、身体機能が低下することで、自己効力感も低下し、悪循環に陥ることがあります。
  • 認知機能の低下:廃用症候群は身体だけでなく、認知機能にも影響を及ぼします。活動量が減ると、脳への刺激も減少し、記憶力や判断力が低下するリスクが高まります。

4. 廃用症候群の予防と対策

廃用症候群を防ぐためには、日常的な活動や運動を取り入れることが重要です。特に高齢者の場合、無理のない範囲で定期的に体を動かすことが健康維持に欠かせません。以下は、予防と対策の具体的な方法です。
運動に励む廃用症候群の高齢者

1. 早期のリハビリテーション

怪我や病気による安静期間が長引かないよう、できるだけ早い段階でリハビリテーションを開始することが大切です。理学療法士の指導のもと、個々の体力や症状に応じた運動プログラムを行うことで、筋力の維持や関節の柔軟性を保つことができます。
リハビリを受ける高齢者

2. 定期的な有酸素運動

心肺機能を維持・向上させるために、ウォーキングや水中歩行、サイクリングなどの有酸素運動が効果的です。高齢者にとっては、無理のないペースで行い、持続的な活動を心がけることが重要です。

3. 筋力トレーニング

筋力低下を防ぐために、軽い筋力トレーニングも取り入れるべきです。スクワットや体幹トレーニングは、下肢や体幹の筋力を鍛えるのに適しています。これにより、バランス感覚も向上し、転倒のリスクを減少させます。

4. 関節の可動域を広げるストレッチ

廃用症候群による関節の拘縮を防ぐためには、毎日のストレッチが有効です。特に肩、膝、股関節などの主要な関節をしっかり動かすことで、関節の柔軟性を維持できます。

5. 社会的なつながりの維持

身体的な活動と同時に、精神的な健康を保つためには、社会的なつながりも重要です。家族や友人との交流、地域の活動に参加することで、心理的な孤立感を防ぎ、うつ病のリスクを低減させることができます。

5. 理学療法士によるアプローチと役割

理学療法士は、高齢者の廃用症候群の予防と改善において、重要な役割を果たします。彼らは、個々の体力や生活環境に応じたリハビリプログラムを作成し、運動や生活動作の指導を行います。以下は、理学療法士の主なアプローチ方法です。

1. 個別のリハビリテーションプランの作成

高齢者の健康状態や目標に応じたリハビリテーションプランを作成します。廃用症候群のリスクが高い場合、早期から筋力や可動域の維持を目指す運動を組み込みます。

2. 生活環境の改善アドバイス

理学療法士は、転倒や拘縮を防ぐために、生活環境の改善に関するアドバイスも提供します。家庭内のバリアフリー化や安全対策、適切な運動習慣の提案など、日常生活を支援するための具体的な方法を示します。

3. メンタルケア

身体的なリハビリだけでなく、心理的なサポートも重要です。理学療法士は患者との信頼関係を築きながら、運動を通じて精神的な安定を図り、前向きな気持ちでリハビリに取り組めるよう支援します。

6.高齢者(シニア)に人気の出張トレーニング

高齢者の廃用症候群を予防し、健康で自立した生活を送るためには、日常的な運動やリハビリが欠かせません。

出張トレーニング×ボディケアRioToReでは全トレーナーが理学療法士の免許(国家資格)を保有しており、廃用症候群をはじめとする様々な病気や怪我の既往歴を持つ方のパーソナルトレーニング/ボディケアのサービスを提供しております。10年以上のリハビリ経験を持つ理学療法士のトレーナーがマンツーマンでお客様のお悩みにコミットしていきます。RioToReではトレーナーがお客様のご自宅へ伺う為、外出するのが億劫な高齢者の方に多くご利用頂いております。

日本整形外科学会監修の『腰痛診療ガイドライン2019』によると、慢性的な腰痛に対し”理学療法士による運動指導”が最も強く推奨されています。

 

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