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2025.09.19   疾患別 記事

【パーキンソン病 トレーニング】家族と進める在宅リハビリトレーニング&ケア|理学療法士監修

 

 

 

理学療法士監修|家族と続ける在宅プログラム

【パーキンソン病 トレーニング】家族が今日からできる在宅リハビリトレーニング&ケアと専門介入の要点

パーキンソン病では、動作緩慢(寡動)・筋固縮・すくみ足・姿勢反射障害・振戦などが日常生活に影響します。
本稿はご家族向けに、安全に効果を出すトレーニング設計と、理学療法士が行う専門介入の違いと連携方法を分かりやすく解説します。
キーワードは「小さく始めて、毎日続ける」「転倒予防を最優先」です。

目次

  1. ① パーキンソン病の特徴(家族が押さえる臨床ポイント)
  2. ② 必要なトレーニング・ストレッチ・ケア・リハビリ
  3. ③ RioToRe顧客の体験談(ビフォーアフター)
  4. ④ RioToReのサービス紹介(自宅訪問×国家資格)
  5. よくある質問(頻度・安全管理・食事との関係)
  6. まとめ(家族ができる最重要3ポイント)

① パーキンソン病の特徴(家族が押さえる臨床ポイント)

  • 症状の波:内服のオン・オフ(薬効の効き・切れ)で動きやすさが変動。オンの時間帯に練習を集約。
  • 運動学習の遅延:動作のスケーリング(amplitude)が小さくなりやすい。大きく・速く・はっきりを外的キューで補う。
  • 姿勢反射障害:後方へのふらつき・転倒に要注意。家具配置や履物選びも介入の一部。
  • すくみ足(FOG):狭い通路・方向転換・ドア前などで停止しやすい。視覚・聴覚キューで突破。
  • 非運動症状:便秘・睡眠障害・低血圧・抑うつなど。運動耐性や転倒リスクに影響。

家族の役割:薬のタイミングと練習時間の整合、転倒の芽を摘む住環境づくり、外的キューの提供(合図・リズム)。

② 必要なトレーニング・ストレッチ・ケア・リハビリ

1) LSVT-BIGに基づく大振り動作(Amplitude-based)

  • 狙い:動作の小刻み化を是正し、可動域×速度×確実性を取り戻す。
  • 例:Floor-to-ceiling, Side-to-side reach(立位・座位で大きく手足を伸ばす反復)。
  • 頻度:1セット8〜10回×1日2セットを目安(疲労度と相談)。
  • 家族キュー:「大きく・はっきり・速く」「手を遠くへ」。

2) すくみ足(FOG)対策の外的キュー

  • 視覚:床に養生テープで横線を作り「線をまたぐ」。
  • 聴覚:メトロノームや4拍子の音楽で歩行リズムを誘導。
  • 言語:「一歩・二歩・三歩」と声出しカウント。
  • 方向転換:円を大きく描くつもりで回る(小回りはNG)。

3) 姿勢・バランス再教育

  • 胸郭・股関節の伸展方向ストレッチ(猫背・前傾の改善)。
  • 立位での重心移動:前後左右へ可視化しながら、支持面内でコントロール。
  • 段階付け:開眼→閉眼、両脚→タンデムへと難易度を上げるが、転倒監視は必須

4) 歩行能力の段階的強化

  • オン時間に短距離×反復(例:20〜30m×3〜5本)。
  • 歩幅(stride)を先に整え、歩数(cadence)は後から。
  • 屋外は段差・障害物・濡れ路面に注意。夜間は避ける

5) 筋力・柔軟性・呼吸

  • 下肢:殿筋群・大腿四頭筋・下腿三頭筋の機能的強化(椅子立ち上がり、段差昇降)。
  • 柔軟:胸郭回旋、股関節伸展、腸腰筋ストレッチ。
  • 呼吸:横隔膜呼吸でリラックスと姿勢改善(1回5分)。

6) 自主トレ設計の原則

  • 毎日5〜10分を2〜3回に分ける(疲労で崩れない量)。
  • 日内のベストタイム(薬効オン)に合わせる。
  • 痛み・ふらつき・息切れは即中止し、理学療法士へ共有。
  • 練習前後の血圧・脈拍(Borg 11〜13程度)を自己観察。

専門用語メモ:Amplitude training(大振り訓練)/External cueing(外的キュー)/Dual task(複合課題)/Postural reflex(姿勢反射)。

③ RioToRe顧客の体験談(ビフォーアフター)

事例:港区在住・83歳女性/Hoehn & Yahr Ⅲ

Before(初回評価)

  • 朝の歩き出しですくみ足頻発。方向転換で停止しやすい。
  • 前傾姿勢・小刻み歩行。立ち上がり3回中2回は介助要。
  • 外出は最寄りコンビニまで200mが限界。転倒恐怖あり。

Intervention(8週間の方針)

  • Amplitude-based全身運動+メトロノーム歩行(BPM設定)。
  • 家族による視覚キュー(床テープ)と声掛けプロトコル。
  • オン時間帯に短距離反復と大回り方向転換の練習。
  • 住環境:段差解消・滑り止め・ナイトライト設置。

After(8週)

  • すくみ足エピソードが週10回→3回に減少。
  • 歩幅が拡大し、連続歩行距離200m→600mへ(休憩1回)。
  • 立ち上がりは自立(椅子の高さ調整+動作キュー)。
  • ご家族コメント:「声掛けの言葉とタイミングで動きが変わると実感。」

パーキンソン病に対するリハビリトレーニングでの姿勢変化
 

※個別の結果であり、効果は症状・併存疾患・内服状況・住環境等で異なります。

④ RioToReのサービス紹介(自宅訪問×国家資格)

RioToReは、国家資格・理学療法士がご自宅・ホテル・施設に訪問し、評価に基づく完全個別のリハビリ・トレーニングを提供します。
パーキンソン病では、オン時間の有効活用外的キュー設計転倒予防の住環境整備まで包括的に伴走。
ご家族には日々の声掛け台本自主トレ動画を共有し、継続しやすい仕組みを整えます。

無料オンライン相談(30分)で症状と生活の困りごとをお聞かせください。
今すぐ予約する(RioToRe 公式)

ご利用の流れ

  1. 初回ヒアリング:症状・薬タイミング・住環境を確認(オンライン可)。
  2. 評価・目標設定:歩幅・バランス・姿勢・FOG誘発場面を測定。
  3. 介入開始:Amplitude訓練+外的キュー+住環境最適化。
  4. 共有:家族向け「声掛け台本」と「1日10分×2回」の自主トレ表。
  5. 再評価:2〜4週ごとに歩行距離・すくみ頻度・転倒リスクを見直し。

よくある質問

Q1. 週何回が理想?

A. 初期は週2回の専門介入+毎日の短時間反復が効果的。オン時間に合わせると習得率が上がります。

Q2. 音楽やメトロノームは効きますか?

A. はい。聴覚キューは歩行リズムの安定に有効です。BPMは担当理学療法士が評価して設定します。

Q3. 食後すぐの運動は?

A. 低血圧や胃部不快の恐れがあるため、食後30〜60分は空けるのが無難です。

Q4. 転倒が怖いのですが…

A. 夜間トイレ動線の照明、滑り止め、段差対策、履物の見直しから。単独での階段練習は避け、必ず見守りを。

まとめ(家族ができる最重要3ポイント)

  1. オン時間に練習を集約:短く・反復し・大きく動く。
  2. 外的キューで動きを導く:床の線・メトロノーム・声掛け。
  3. 住環境の安全最優先:夜間照明・滑り止め・段差解消で転倒予防。

ご家族だけで抱え込まず、理学療法士と二人三脚で“続けられる仕組み”を作りましょう。

パーキンソン病 リハビリトレーニングの個別相談はRioToReへ。
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執筆・監修:国家資格 理学療法士/RioToRe(出張トレーニング×ボディケア)|本記事は家族向け一般情報であり、診断・治療に代わるものではありません。症状・内服・併存疾患により禁忌があり得ます。実施前に必ず主治医・担当療法士へご相談ください。

 

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