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2025.11.25   シニアの健康情報

【高齢者のふらつき改善】筋力低下が原因?70代からでも変わる歩行の安定|理学療法士が自宅でできる改善法を徹底解説

【高齢者のふらつき改善】筋力低下が原因?70代からでも変わる歩行の安定|理学療法士が自宅でできる改善法を徹底解説

※本記事は、理学療法士・八幡 亮(RioToRe代表)が監修しています。
高齢者専門の訪問パーソナルトレーニングとして、姿勢・歩行改善を2000件以上担当。ご自宅で安全に行える“ふらつき改善”のポイントをわかりやすく解説します。

「最近ふらつくことが増えた」「歩くと不安で外に出づらい」「足が重くて思うように前へ進まない」。
ご本人だけでなく、ご家族からの相談としても最も多い悩みが“ふらつき”です。

しかし、ふらつきは“歳だから仕方ない”ものではありません。
実際には、筋力低下・姿勢の崩れ・バランス機能低下など、明確な原因があります。
特に、太ももやお尻の筋肉が弱くなると、ちょっとした段差や平坦な道でも体が揺れやすくなり、
「歩くのが怖い」→「歩かなくなる」→「筋力が落ちる」という悪循環に陥りやすくなります。

逆に言えば、原因に合わせた正しいアプローチを行えば、
70代・80代からでも“ふらつきの改善”は十分可能です。
そして改善の鍵となるのは、筋力(特に太もも・お尻)と姿勢の安定です。

本記事では、ふらつきの医学的メカニズムから、
自宅でできるふらつき改善トレーニング、安全に取り組むためのコツ、改善事例までを網羅的に解説します。
ご自身はもちろん、「最近ふらつきが増えた」と心配されているご家族にも有益な内容です。

1. 高齢者の「ふらつき」はなぜ起こる?医学的原因をわかりやすく解説

ふらつきの原因は一つではありません。多くの場合、以下の3つ以上の要素が重なって発生しています。

① 下肢の筋力低下(太もも・お尻・ふくらはぎ)

最も大きな原因は筋力不足です。
特に重要なのが以下の部位です。

  • 大腿四頭筋(太もも前)…踏ん張る力・立ち上がり・歩き出しに必須
  • 中殿筋(お尻)…左右のふらつきを防ぐ“骨盤のスタビライザー”
  • 下腿三頭筋(ふくらはぎ)…つま先・かかと動作でバランスを保つ

これらが弱ると、
・歩幅が小さくなる
・つま先が上がらない
・足が重い
・身体を持ち上げられない
といった症状が出て、結果としてふらつきやすくなるのです。

② 姿勢の崩れ(猫背・前かがみ・骨盤後傾)

姿勢は歩行と密接に関係します。
姿勢が崩れると、身体の「重心」がずれ、バランスが取りにくくなります。

特に多いのは以下のパターンです。

  • 猫背姿勢 → 足が前に出にくい・転倒リスク増
  • 骨盤が後ろに倒れる(後傾) → 歩くだけでふらつく
  • 頭が前に出る(ストレートネック) → 体の揺れを感じやすい

姿勢の崩れは、筋力低下だけでなく「長年の生活習慣」も大きく関係します。

③ バランス機能の低下(重心を感じる能力の低下)

高齢者は足裏の感覚が低下しやすく、
身体が揺れたときにとっさに踏ん張る反応が遅れます。

バランス機能の低下は徐々に進むため、
ご本人よりもご家族が先に気づくことが多いのが特徴です。

④ 歩く量の減少(活動量の低下)

ふらつきのある方の多くが
「怖いから歩かない」→「筋力が落ちる」→「さらにふらつく」
という悪循環に入り込んでいます。

このループから抜け出すには、まず小さな成功体験が必要です。
この記事では、その成功体験をつくるための“安全な改善策”を紹介していきます。

次章では、特に重要な「筋力低下とふらつきの関係」を詳しく解説していきます。

2. 高齢者のふらつきは“筋力低下”が最大の原因|どの筋肉が弱るとふらつくのか?

高齢者のふらつきの原因として最も多いのが、足腰の筋力低下です。
若い頃は気にならなかった段差や坂道が、高齢になると突然怖く感じるようになる理由は、単純に「足が弱くなる」だけではありません。筋肉が弱ると、姿勢・歩行・踏ん張り動作といった“身体の根本機能”が一斉に低下してしまうからです。

■ 太もも(大腿四頭筋)が弱ると…

大腿四頭筋は「立つ・歩く・踏ん張る」を担う最重要筋です。
ここが弱ると、次のような症状が一気に現れます:

  • 歩き出しが重くなる
  • 足が思うように前へ出ない
  • 膝がガクッと抜ける感覚がある
  • ちょっとした段差が怖い

大腿四頭筋の衰えは、高齢者のふらつきで最もよく見られる現象です。

■ お尻(中殿筋)が弱ると…“左右のふらつき”が増える

お尻の横にある中殿筋は、骨盤の安定に関わる筋肉です。
この筋肉が弱ると、“左右に揺れるようなふらつき” が顕著になります。

実は、「歩くと体が左右に揺れてしまう」という訴えのほぼ全てが、中殿筋の弱さによるものです。
中殿筋がうまく働かないと、片脚で体重を支える瞬間に骨盤が落ちる → 身体が傾く → ふらつくという流れが起きます。

■ ふくらはぎ(下腿三頭筋)が弱ると…つまずきやすい

ふくらはぎは、歩行時に体を前に進める“アクセル”の役割を担っています。
ここが弱くなると、

  • つま先が上がりにくくなる
  • 小さな段差でつまずく
  • 足が前に出にくい
  • 長く歩けない

という症状が現れ、ふらつきや歩行不安が一気に悪化します。

■ 筋力低下は「本人より周囲が気づく」ケースが多い

ふらつきは本人が感じにくい一方、ご家族が先に気づくことが非常に多いのが特徴です。

「歩くと左右に揺れるようになった」
「以前より足が重そうに見える」
「立ち上がりがゆっくりになった」

こうした“外から見える変化”が、ふらつきの初期サインとなります。

■ ふらつき=「筋力低下 × 姿勢の崩れ × バランス低下」

ふらつきを改善するためには、この3つの要素を同時に整える必要があります:

  • 筋力 → 動くためのエンジン
  • 姿勢 → 動きを支える軸
  • バランス → 転ばないためのセンサー

このうち最も改善しやすいのが筋力です。
適切なトレーニングを行えば、70代・80代からでも十分に改善します。

次章では、ふらつきと深く関わる「姿勢(猫背・前かがみ・骨盤の傾き)」がなぜ歩行を不安定にするのか、臨床視点で解説します。

3. 姿勢の崩れが“ふらつき”を悪化させる理由

高齢者のふらつきには、筋力低下と並んで「姿勢の崩れ」が深く関わっています。姿勢は歩行の“軸”となるため、姿勢が少し乱れるだけでも、重心の位置や足の運びに大きく影響します。特に次の3つの姿勢パターンは、ふらつきを悪化させる代表例です。

■ 猫背(円背)タイプ

背中が丸まり、頭が前へ落ちるような姿勢です。重心が後ろに下がり、足が前へ出にくくなります。その結果、

  • 歩幅が小さくなる
  • つま先が引っかかりやすい
  • 後ろに倒れそうな不安感が増える

■ 骨盤後傾タイプ

骨盤が後ろへ倒れ、腰から背中にかけて丸くなる姿勢です。高齢者で最も多く見られ、

  • 足が持ち上がらない
  • 歩くたびに左右の揺れが大きくなる
  • 「歩きづらい」という感覚が強くなる

■ 頭部前方突出(ストレートネック)タイプ

頭が前に突き出た姿勢では、身体の揺れを感知するバランス機能が低下し、ふらつきやすくなります。首や肩の緊張が強まり、呼吸も浅くなるため疲れやすさも増します。

姿勢とふらつきは分けて考えられがちですが、実際には「姿勢を整えるだけで歩行が安定する」ケースが多くあります。それほど、姿勢は高齢者のふらつきにとって重要な要素なのです。

4. 自宅でできる“ふらつき改善”トレーニング(安全・効果的)

ここでは、理学療法士が実際に高齢者へ指導している「安全性の高い」「効果の出やすい」ふらつき改善トレーニングを紹介します。痛みがある日は無理をせず、必ず支えのある環境で行ってください。

① その場足踏み(歩幅を取り戻す)

椅子や壁につかまり、背すじを軽く伸ばした状態で足踏みを行います。
左右20回 × 2セットが目安です。
歩幅が小さくなっている方に特に有効で、股関節と太ももがしっかり動き始めます。

② 立ち座り(大腿四頭筋の強化)

ふらつき改善の最重要筋が太もも前(大腿四頭筋)です。
イスに浅く座り、手すりやテーブルを使って構いませんので、ゆっくり立つ → 座るを10回行います。

この動作は「歩く」「階段」「踏ん張る」に直結するため、毎日取り入れる価値があります。

③ ヒップサイドレイズ(中殿筋の強化)

壁につかまり、片脚をゆっくり横へ上げる運動です。
左右10回ずつ行いましょう。
骨盤の左右揺れを防ぐ“ふらつき改善の要”となるトレーニングです。

④ つま先・かかと上げ(ふくらはぎ〜すね)

テーブルにつかまりながら、かかと上げ10回 → つま先上げ10回を行います。
転倒リスクを減らす「足のクリアランス(つま先の上がり)」を高める効果があります。

⑤ 壁立ち(姿勢リセット)

壁に後頭部・背中・お尻を軽くつけて30秒キープ。
崩れた姿勢を元に戻す練習として有効で、ふらつきやすい方ほど効果を実感しやすいメニューです。

5. バランス機能を取り戻す簡単エクササイズ

筋力だけでなく、身体の揺れを感じて調整する「バランス機能」も取り戻す必要があります。以下は安全に取り組める方法です。

■ 足指グーパー(足裏感覚の改善)

椅子に座って足の指を「グー・パー」と動かすだけ。足裏の感覚刺激がバランス向上につながります。

■ 支えを持っての片脚立ち

転倒を避けるため必ず支えながら、5〜10秒ずつ。
「片脚で体を支える瞬間の安定」が上達します。

次章では「避けるべきNG動作」や、改善が進んだ実例をご紹介します。

6. 高齢者のふらつきを“悪化させてしまう”NG行動

ふらつきを改善するためのトレーニング以上に重要なのが、日常で避けるべき動き・習慣を知ることです。
知らずに続けてしまうことで、ふらつきが強くなり転倒リスクが高まるケースが多くあります。

■ NG① 反り腰のまま歩こうとする

腰を反らして歩く姿勢は、一見「シャキッとして見える」ため本人が正しいと誤解しがちですが、実際には後ろに倒れやすい危険な姿勢です。腰痛やふくらはぎの疲労も悪化しやすく、ふらつきが増える典型例です。

■ NG② つま先を見続けて歩く

視線を足元に落とすと、進行方向の情報が得られず、障害物への反応が遅れます。
また姿勢が丸まり重心が後ろに下がるため、ふらつきが強まります。

■ NG③ 杖を使うのを避ける・無理に手放そうとする

杖は「弱さの象徴」ではなく、転倒リスクを避けるための大切な補助具です。
必要な時期に使わないほうが危険で、「ふらつきの悪化」「転倒→入院」につながることもあります。

■ NG④ いきなり長距離を歩こうとする

歩行不安がある方が長距離に挑戦すると、途中で筋力が尽きてふらつきが急増します。
この経験が「歩くのが怖い」という心理的ブレーキを強めてしまいます。

■ NG⑤ 自己流の激しいストレッチや筋トレ

YouTubeなどを見ながら強度の高い運動に挑戦することで、腰痛・膝痛を悪化させる例が多くあります。
高齢者は“正しい方向に動かす”ことが最重要で、強い負荷は逆効果です。

次に、実際にふらつきが改善した方の事例をご紹介します。

7. 実際の改善事例|ふらつきが軽減し、外出が可能になったケース

■ 78歳女性:数分歩くとふらつきが出ていたケース

ご家族から「歩くと左右に揺れて心配」と相談を受け訪問。評価すると、中殿筋(お尻)の筋力低下と骨盤後傾姿勢が大きな要因でした。

行ったこと:

  • 横歩き・サイドレイズで中殿筋を強化
  • 壁立ちで姿勢リセット
  • 短時間の足踏み練習

3週間で「歩き出しのふらつきが減った」と実感。
2ヶ月後には近所の買い物を1人で行けるまで安定しました。

■ 82歳男性:筋力低下により「立ち上がりが不安定」だったケース

太もも前(大腿四頭筋)の筋力低下が大きく、立ち上がり動作の不安定さから歩行時もふらつく状態でした。

実施した内容:

  • 椅子からの立ち座り練習(10回×2セット)
  • 足指グーパーで足裏の感覚入力を改善
  • つま先・かかと上げでつまずき防止

1ヶ月後、「歩くのが以前より楽になった」とご本人が実感。
3ヶ月で歩行スピードが改善し、ふらつき頻度も大幅に減少しました。

8. ふらつき改善は“正しい方法で継続”が鍵|訪問サービスが選ばれる理由

ふらつき改善は、筋力・姿勢・バランスの3つを整える必要があり、
「正しい方向へ動かす」ことが最短ルートです。

専門家が訪問するメリットは以下の通りです。

  • 自宅環境で安全に運動できる
  • 姿勢や動作の“ズレ”をその場で修正できる
  • ご家族の心配も一緒に解消できる
  • 痛みや体調に合わせて強度を調整できる

特に、歩行不安が強い方は外出自体が負担になるため、
在宅で完結する訪問トレーニングは非常に相性が良い方法です。

次章では、ふらつき改善に役立つ内部リンクをまとめつつ、さらに進んだ改善ステップを紹介します。

9. ふらつき改善に役立つ関連記事(内部リンク)

ふらつき改善には、姿勢の崩れ・歩行不安・筋力低下を総合的に理解することが非常に重要です。
以下の記事も合わせて読むことで、改善の全体像がより分かりやすくなります。

■ 姿勢悪化がふらつきを招く仕組み

姿勢が崩れると、重心がズレて歩行が不安定になります。特に“猫背・骨盤後傾”はふらつきの大きな原因です。
詳細はこちらの記事で詳しく解説しています:

👉 姿勢の崩れを放置するとどうなる?(RioToRe)

■ 歩行不安を感じる高齢者にお勧めのジム

「歩くのが怖い」「疲れやすい」「ふらつく」という高齢者の悩みは、高齢者に特化したパーソナルジムを利用することもお勧めです。

👉 高齢者にお勧めのパーソナルジム8選

■ 高齢者向けパーソナルトレーニング比較(第三者サイト)

サービスを客観的に比較したい方には、専門の比較サイトも参考になります。地域ごとの特徴やサービス内容の違いが分かりやすくまとめられています。

👉 東京の高齢者向けパーソナルトレーニング比較サイト

10. RioToRe(リオトレ)のふらつき改善サポート

RioToReは、理学療法士がご自宅に伺い、高齢者に特化した「安全なパーソナルトレーニング」を提供しています。
ふらつきの原因は人によって異なるため、すべての方に同じ運動を行うのではなく、次のように“完全オーダーメイド”で支援しています。

  • 太もも・お尻・ふくらはぎなど、弱っている筋肉を評価
  • 歩行分析により「歩きにくさの原因」を見える化
  • 猫背や骨盤後傾など、姿勢の崩れを整えるトレーニング
  • 痛みや持病を考慮し、その日の体調に合わせて強度を調整
  • ふらつきを防ぐ“片脚支持”や“足裏感覚”のリハビリ

外出が負担になる方でも、ご自宅で安心して始められるため、
「歩くのが怖い」→「歩ける自信を取り戻す」という変化を実感される方が多くいらっしゃいます。

11. よくある質問(Q&A)

Q1. ふらつきは何歳からでも改善しますか?

A. はい。筋力・姿勢・バランスは何歳からでも改善可能です。
70代・80代でも「歩きやすくなった」というケースは多くあります。

Q2. どのくらいの期間で改善が実感できますか?

A. 早い方で2〜4週間、ほとんどの方が2〜3ヶ月で変化を実感します。
ふらつきの原因によって期間は変わりますが、正しい方法で継続することが最重要です。

Q3. 病院のリハビリが終わっていても頼めますか?

A. もちろん可能です。リハビリ卒業後の“体力維持・改善”を目的に利用される方が多いです。

Q4. 一人暮らしの親のふらつきが心配です。

A. 初回時にご家族へ状況説明も可能です。
歩行や生活動作の動画を共有いただければ、改善方向を一緒に確認できます。

12. まとめ|ふらつきは「原因が分かれば」必ず改善できます

高齢者のふらつきは、単純な“老化”ではなく、
筋力低下 × 姿勢の崩れ × バランス低下の複合的な問題によって起こります。
逆に言えば、これらを正しい順番で整えていけば、必ず改善につながります。

本記事で紹介した内容は、今日から自宅で始められるものばかりです。
一つでも取り入れていただければ、ふらつき改善の大きな一歩になります。

「歩くのが怖い」「最近ふらつきが増えた」
そんな不安がある場合は、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。
RioToReが、ご本人とご家族の安心を第一に、在宅でのサポートをご提供します。

【監修者プロフィール】

八幡 亮(やわた りょう)
国家資格:理学療法士(PT)

RioToRe代表。
回復期リハビリ病院にて4年間、脳血管疾患や整形外科術後の患者を含む2,000人以上の症例を担当。その後オーストラリア・シドニーでパーソナルトレーナー/指圧マッサージセラピストとして活動。

現在は東京を拠点に、理学療法士トレーナーによる高齢者専門の出張型パーソナルトレーニング・自費リハビリ「RioToRe」を運営。企業の健康経営サポートや講演活動も行い、最新のリハビリ知見を活かしたサービスを提供している。

<メディア出演>
テレビ東京「なないろ日和」出演
雑誌・Webメディアにて健康記事を多数監修

理学療法士トレーナー/八幡亮

理学療法士トレーナー紹介ページはこちら

 

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