70代から始める正しいウォーキング習慣|歩き方次第で身体はここまで変わる【理学療法士が解説】
リハビリ病院やオーストラリアのフィットネス業界での経験を持ち、高齢者の身体機能改善やパーソナルトレーニング、自費リハビリに精通した専門家が、正確かつ実践的な情報をお届けします。
「毎日散歩しているのに、以前より疲れやすくなった」
「歩いていると不安定で、転びそうになることがある」
このようなお悩みを70代の方から伺うことは少なくありません。
ウォーキングは高齢期において非常に有効な運動ですが、実は「ただ歩くだけ」では効果が出にくいのも事実です。
70代からのウォーキングで最も大切なのは、距離や歩数よりも「歩き方」と「続け方」です。
本記事では、理学療法士の視点から、70代の身体に合ったウォーキング習慣の考え方と、安全に続けるためのポイントを分かりやすく解説します。
70代の運動は「歩き方」で効果が大きく変わる
70代になると、筋力やバランス能力、柔軟性は少しずつ変化していきます。
そのため、若い頃と同じ感覚で歩いていると、知らず知らずのうちに身体へ負担をかけてしまうことがあります。
「歩いているのに体力が落ちている」と感じる方の多くは、以下のような状態になっています。
- 歩幅が極端に小さくなっている
- 前かがみの姿勢が癖になっている
- 足をしっかり上げず、すり足になっている
これらは加齢による自然な変化でもありますが、放置すると疲労の蓄積や転倒リスクの増加につながります。
ウォーキングは「量」ではなく、「質」を見直すことが重要です。
70代に多いNGウォーキング習慣
良かれと思って続けているウォーキングが、逆に身体の不調を招いているケースもあります。
ここでは70代に多い注意すべき習慣を紹介します。
無理に毎日歩こうとする
「毎日歩かないと意味がない」と思い込み、体調が優れない日でも無理をして歩いてしまう方がいます。
疲労が抜けない状態で歩き続けると、回復力が追いつかず、逆効果になることがあります。
姿勢を意識せずに歩いている
猫背や前かがみの姿勢は、呼吸を浅くし、疲れやすさにつながります。
また、重心が前に偏ることで、つまずきやすくなる原因にもなります。
靴が合っていない
サイズが合わない靴や、底がすり減った靴で歩き続けると、足元が不安定になります。
ウォーキングの効果以前に、安全性を損なう要因となるため注意が必要です。
理学療法士が考える「70代の正しい歩き方」
ここでいう「正しい歩き方」とは、見た目の美しさではなく、70代の身体に無理なく、安全に続けられる歩行のことです。
姿勢:背筋を伸ばしすぎない
胸を張りすぎたり、無理に姿勢を正そうとすると、かえって腰や首に負担がかかります。
「頭の位置が体の真上に乗っている」感覚を意識すると、自然な姿勢を保ちやすくなります。
歩幅:大きくしすぎない
歩幅を広げようと意識しすぎると、バランスを崩しやすくなります。
「足を前に出す」よりも「体重を前に移す」意識が大切です。
重心移動:かかとからつま先へ
すり足ではなく、かかとから着地し、つま先へ体重を移すことで、歩行が安定しやすくなります。
腕振り:無理に大きく振らない
腕は自然に前後へ振れる程度で十分です。
肩に力が入らないよう、リラックスを心がけましょう。
70代が安全に続けるためのウォーキング習慣
正しい歩き方を意識しても、続け方を間違えると疲れやすくなります。
70代のウォーキングでは、以下のポイントを意識しましょう。
- 週3〜5回を目安に、体調に合わせて調整する
- 時間は20〜30分程度から始める
- 「今日は休む」判断も立派な習慣の一部
雨の日や体調が微妙な日は、無理に外を歩く必要はありません。
室内での軽い動きや、短時間の歩行でも十分効果があります。
自己流が不安な方へ|歩き方は人それぞれ違います
70代の身体状況は、人によって大きく異なります。
過去のケガや持病、生活環境、運動不足による筋力低下等によって、最適な歩き方や運動量は変わります。
「この歩き方で合っているのか分からない」
「最近つまずきやすくなった」
そう感じた時は、自己判断で続けるよりも、一度専門家の視点で確認することが安心につながります。
筋力トレーニングが必要なケースもありますが、その前に「今の歩き方や生活動作を評価すること」が重要です。
70代に適したご自宅で行える筋力トレーニングや注意点のご紹介はこちら
理学療法士による個別サポートという選択肢
リオトレでは、理学療法士がご自宅や生活環境を確認しながら、歩行や日常動作を評価します。
無理に運動を増やすのではなく、今の身体に合った動き方や習慣を一緒に整えていきます。
70代からのウォーキングは、「頑張る運動」ではなく、「安心して続けられる習慣づくり」が何より大切です。
歩くことに不安がある方、ご家族として安全面が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
【監修者プロフィール】
八幡 亮(やわた りょう)
国家資格:理学療法士(PT)
RioToRe代表。
回復期リハビリ病院にて4年間、脳血管疾患や整形外科術後の患者を含む2,000人以上の症例を担当。その後オーストラリア・シドニーでパーソナルトレーナー/指圧マッサージセラピストとして活動。
現在は東京を拠点に、理学療法士トレーナーによる高齢者専門の出張型パーソナルトレーニング・自費リハビリ「RioToRe」を運営。企業の健康経営サポートや講演活動も行い、最新のリハビリ知見を活かしたサービスを提供している。
<メディア出演>
テレビ東京「なないろ日和」出演
雑誌・Webメディアにて健康記事を多数監修

