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2025.12.03   疾患別 記事

【理学療法士監修】変形性膝関節症のリハビリ完全ガイド|原因・症状・治療・自宅でできる運動まで徹底解説

【理学療法士監修】変形性膝関節症のリハビリ完全ガイド|原因・症状・治療・自宅でできる運動まで徹底解説

「最近、膝が痛くて歩くのがつらい」「階段の下りでズキッとする」「整形外科で“年齢のせい”と言われたけど、まだ自分の足で歩きたい」。こうしたお悩みを抱える60〜80代の方は非常に多く、膝の痛みは日常生活の質を大きく左右します。

本記事では、膝の専門家である理学療法士が、変形性膝関節症(以下:膝OA)の原因、症状、治療、そして自宅でできる安全なリハビリまでをわかりやすく解説します。記事の後半では「病院に通いづらい方向け」の出張リハビリという選択肢についても紹介します。

変形性膝関節症とは?わかりやすい基礎知識

変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り、骨と骨の間隔が狭くなることで痛みや腫れが起こる疾患です。日本では約1,000万人以上がこの症状を持つといわれ、高齢者では特に多くみられます。

膝の軟骨はなぜすり減る?

軟骨には痛みを感じる神経がないため、徐々にすり減っても最初は自覚がありません。しかし、軟骨が薄くなると関節の動きが滑らかでなくなり、負担が集中した部分から痛みが出ます。

高齢者に多い理由

加齢に伴う筋力低下、運動不足、O脚の進行、肥満などが重なると膝への負担は何倍にもなります。特に大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が弱い方は痛みが出やすくなります。

レントゲンでわかること

レントゲンでは「関節の隙間」が重要な指標になります。隙間が狭いほど軟骨が減っている状態で、重症度は4段階(Kellgren-Lawrence分類)で判断されます。

変形性膝関節症の原因と初期症状

よくある原因

  • 加齢による軟骨の摩耗
  • 筋力低下(大腿四頭筋・中殿筋など)
  • O脚による負担の偏り
  • 体重増加
  • 長年の立ち仕事・過度なスポーツ習慣

初期症状の代表例

  • 階段の下りで痛む
  • 椅子から立つ瞬間にズキッとする
  • 朝のこわばり
  • 歩き出しの痛み
  • 膝に違和感・不安定感

「痛いけど歩けるから大丈夫」と考え放置してしまうと、痛みは徐々に強くなり、歩行能力の低下、転倒リスクの増加にもつながります。

治療方法|病院と自宅ケアの違い

病院で一般的に行われる治療

  • 痛み止め(内服薬)
  • 湿布
  • ヒアルロン酸注射
  • 電気治療・温熱療法

これらは「痛みを和らげる」効果はありますが、根本的な原因である筋力や関節可動域の低下、歩行の癖を改善するものではありません。

手術が必要なケース

重症度が高く、歩行が困難な状態では人工膝関節置換術が検討されます。しかし、高齢の方は手術・入院の負担が大きいため、できる限り保存療法(リハビリや運動)で改善を目指す方が多いです。

なぜ「安静より運動」が良いのか

近年の研究では、膝OAは運動療法が最も効果的な治療法とされています。筋力アップにより膝関節を支える力が高まり、痛みの軽減や歩行能力の改善につながるためです。

理学療法士が行う本質的なリハビリ

膝の痛みがあると多くの方が「膝だけを揉んだり伸ばしたりすれば治る」と思いがちですが、実は股関節・体幹の機能低下が原因になっているケースが非常に多いです。

膝だけを見ない理由

膝関節は股関節と足首の間に位置するため、どちらかが動きにくいと膝に負担が集中します。特に高齢者の場合、股関節周りの筋力低下が顕著で、歩行バランスにも影響します。

歩行改善で重要なポイント

  • 荷重が真っ直ぐかかっているか
  • 立脚期にふらつきがないか
  • つまずきやすい癖がないか

自宅でできる安全なリハビリ・運動

運動前にチェックすべき症状

  • 強い腫れ・熱感
  • 安静にしていても強い痛み
  • 転倒後の激痛

これらがある場合は医療機関へ相談してください。

① 太もも(大腿四頭筋)トレーニング

椅子に座り、片脚をゆっくり伸ばして5秒キープ。左右10回ずつ。

② 椅子スクワット

椅子から立ち上がる動作をゆっくり繰り返すだけでも十分効果があります。膝が前に出すぎないよう注意しましょう。

③ 中殿筋(お尻)トレーニング

横向きに寝て上の脚を軽く持ち上げる。膝の負担を減らすために非常に大切な筋肉です。

④ 転倒予防のバランス練習

キッチン台につかまり、かかと上げ10回、片脚立ち10秒を目安に。

1日10分のルーティン例

・太もも伸ばし→中殿筋→椅子スクワット→バランス練習

日常生活で膝の痛みを減らすコツ

階段の下りは手すりを必ず使う

下りは膝への負担が倍以上になります。手すり・壁をうまく利用しましょう。

立ち上がりは「お尻を後ろに引く」

前に体重をかけすぎると膝に大きな負担がかかります。

やってはいけない動作

  • 深くしゃがみ込む
  • 片手で立ち上がる
  • つま先重心で歩く

いつ病院へ行くべき?

以下の状況があれば、早めの受診を推奨します。

  • 膝が赤く熱を持っている
  • 歩行が困難なほどの痛み
  • 夜間も痛む
  • 転倒後の強い痛み

高齢者のリハビリは「継続」が命

変形性膝関節症は、正しい運動を続ければ必ず改善の余地があります。しかし、高齢の方はご自身だけで継続するのが難しい場合が多いため、専門家の伴走が効果を高めます。

「痛いから休む」ではなく、「痛みを取るために安全に動かす」が基本です。

ご自宅で行う出張リハビリという選択肢

外出が難しい高齢者の方や、膝痛で歩くのが不安な方には、理学療法士がご自宅へ伺う出張リハビリが非常に相性の良いサービスです。

  • 痛みや不安をその場で確認できる
  • ご自宅の環境に合わせた改善方法を提案できる
  • 歩行・立ち座りなど「生活動作」の改善に特化
  • 病院通いが難しい方でも継続しやすい

RioToReでは高齢者の膝痛に特化した理学療法士が担当し、安全かつ効果的なリハビリを提供しています。

初回体験(8,800円)では何をする?

  • 丁寧な問診
  • 歩行・可動域の評価
  • 理学療法士によるリハビリ体験
  • 今後の改善計画のご説明

「自宅で受けられるなら続けられそう」「通うよりも安心」という方が多く、ご家族からの依頼も増えています。

まとめ|膝は鍛えれば必ず変わる

膝の痛みは「年齢のせい」で片づけるものではありません。正しいリハビリを継続することで、歩行の安定、痛みの軽減、転倒予防など確かな変化が期待できます。

「もう歩けないかもしれない」と不安を感じている方も、今日からの一歩で未来は変えられます。あなたの膝が少しでも楽になるよう、私たち理学療法士が全力でサポートいたします。

【監修者プロフィール】

八幡 亮(やわた りょう)
国家資格:理学療法士(PT)

RioToRe代表。
回復期リハビリ病院にて4年間、脳血管疾患や整形外科術後の患者を含む2,000人以上の症例を担当。その後オーストラリア・シドニーでパーソナルトレーナー/指圧マッサージセラピストとして活動。

現在は東京を拠点に、理学療法士トレーナーによる高齢者専門の出張型パーソナルトレーニング・自費リハビリ「RioToRe」を運営。企業の健康経営サポートや講演活動も行い、最新のリハビリ知見を活かしたサービスを提供している。

<メディア出演>
テレビ東京「なないろ日和」出演
雑誌・Webメディアにて健康記事を多数監修

理学療法士トレーナー/八幡亮

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