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2024.03.18   疾患別 記事

【理学療法士監修】変形性股関節症のリハビリ方法と体操|自宅でできる可動域改善と痛みを悪化させないポイント・手術の目安

変形性股関節症と診断され、「リハビリを続けましょう」と言われたものの、本当に効果があるのか、自宅で何をすればよいのか迷っていませんか。

股関節は、歩く・立つ・座るといった日常動作の中心となる関節です。足の付け根に痛みが出たり、可動域が狭くなったりすると、生活の中の小さな動きが少しずつ難しくなっていきます。

変形性股関節症では、運動療法(リハビリ)が保存療法の基本とされています(日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン)。適切な可動域改善と筋力強化により、関節への負担を減らし、痛みや歩きにくさの軽減が期待できます。

この記事では、理学療法士監修のもと、リハビリの考え方、自宅でできる体操、痛みの場所別の対応、進行段階ごとの対策、手術の目安までを整理して解説します。

目次

  1. 変形性股関節症のリハビリは効果がある?【まずは結論】
  2. 変形性股関節症 リハビリの目的|可動域と筋力の両方を整える
  3. 症状の進行段階別|初期・進行期・末期のリハビリの違い
  4. 痛みの場所別|足の付け根・お尻・太もも前の違い
  5. 症状レベル別|変形性股関節症のリハビリ方法と可動域・痛みの目安
  6. 自宅でできる変形性股関節症のリハビリ体操一覧
  7. 痛みを悪化させないための運動チェック|変形性股関節症でやっていい運動・控えたい動き
  8. 変形性股関節症における体重管理と股関節への負担
  9. 変形性股関節症のリハビリと注射・薬・手術の違い
  10. 変形性股関節症で手術を検討する目安
  11. 高齢者(シニア)の変形性股関節症リハビリで大切なこと
  12. 自宅での継続が不安な方へ
  13. よくある質問|変形性股関節症のリハビリ・体操・可動域改善について
  14. 参考文献

 

変形性股関節症のリハビリは効果がある?【まずは結論】

変形性股関節症に対する運動療法は、国内外のガイドラインで推奨されています(OARSI Guidelines)。

軟骨を元に戻す治療ではありませんが、次のような働きがあります。

  • 股関節周囲の筋力を高め、関節への負担を分散させる
  • 可動域を保ち、動き出しの詰まり感を減らす
  • 歩き方を整え、片側への負担集中を防ぐ

特に中殿筋は、歩行時に骨盤を安定させる重要な筋肉です。中殿筋が弱くなると骨盤が傾き、股関節への圧力が増えやすくなります。

リハビリは「関節そのものを治す」というより、「関節を支える力を整える」ことが目的です。

変形性股関節症 リハビリの目的|可動域と筋力の両方を整える

股関節は、屈曲・伸展・外転・内旋・外旋という多方向の動きを持ちます。

可動域が狭くなると、

  • 足の付け根の詰まり
  • 動き出しの痛み
  • 歩幅の減少

が起こりやすくなります。

リハビリの主な目的は次の3つです。

  1. 可動域を保つ
  2. 中殿筋・大殿筋を強化する
  3. 歩行や立ち上がり動作を整える

可動域だけ、筋力だけでは不十分です。両方をバランスよく整えることが重要です。

症状の進行段階別|初期・進行期・末期のリハビリの違い

検索でも多いのが、「初期は?」「末期でも意味ある?」という疑問です。

初期(軽度)

  • 違和感中心
  • 可動域やや制限
  • 長時間歩くと痛い

→ 可動域体操+軽い筋力トレーニングが中心

進行期(中等度)

  • 歩行時の痛み
  • 足の付け根の詰まり
  • 動き出しがつらい

→ 中殿筋強化+歩行修正+負荷調整

末期(進行例)

  • 夜間痛
  • 安静時も痛い
  • 歩行困難

→ 痛み管理優先+医療機関併用

末期であっても、筋力維持や可動域の確保は術前・術後ともに重要です。

進行段階が進んでいても、リハビリの意味がなくなるわけではありません。負荷のかけ方を調整しながら、できることを積み重ねていくことが重要です。

痛みの場所別|足の付け根・お尻・太もも前の違い

足の付け根が痛い場合

股関節前面の負担が強い可能性があります。深い屈曲姿勢を避け、可動域体操を中心に行います。

お尻が痛い場合

中殿筋や外旋筋の負担が関係することがあります。外転運動やクラムシェルが有効な場合があります。

太ももの前が痛い場合

股関節の前面ストレスが強い場合があります。姿勢や歩き方の見直しが重要です。

症状レベル別|変形性股関節症のリハビリ方法と可動域・痛みの目安

症状レベル主な状態(痛み・可動域)推奨されるリハビリ方法注意点
軽度歩行可能・違和感・可動域やや制限可動域体操・中殿筋トレーニング・自宅中心無理な回数増加は避ける
中等度歩行時痛・足の付け根の詰まり可動域改善+筋力強化・歩行修正深い屈曲や強い内旋を避ける
進行例夜間痛・歩行困難・可動域大きく制限痛み管理優先・専門家評価併用自己流高負荷運動は避ける

※上記の分類はあくまで目安です。同じ進行段階でも、痛みの強さや生活状況、活動量によって適切なリハビリ内容は異なります。症状に合わせて無理のない範囲で調整することが大切です。

自宅でできる変形性股関節症のリハビリ体操一覧

体操名主な目的対象筋・可動域実施時のポイント
股関節屈曲体操可動域改善屈曲反動を使わない
外転運動中殿筋強化外転骨盤を固定
クラムシェル股関節安定外旋・中殿筋ゆっくり行う
ブリッジ大殿筋強化伸展腰を反らしすぎない
片脚立ち歩行安定バランス転倒防止に注意

※体操は回数をこなすことよりも、正しいフォームで行うことが重要です。痛みを我慢して行うのではなく、動きの質を意識しながら、違和感のない範囲で続けましょう。

痛みを悪化させないための運動チェック|変形性股関節症でやっていい運動・控えたい動き

リハビリを続けるうえで、「どこまで動かしていいのか」「やってはいけない運動は何か」という疑問を持つ方は少なくありません。

変形性股関節症では、関節に強い圧縮やねじれがかかる動きが続くと、痛みが悪化することがあります。
一方で、適切な負荷であれば、動かすこと自体は大切です。

下記は一般的な目安です。

項目やってい良い運動控えたい運動理由
可動域運動軽い屈曲・外転運動深いしゃがみ込み股関節前面への圧迫が強くなるため
筋力トレーニング低負荷の中殿筋トレーニングジャンプ・急な方向転換衝撃とねじれが強い
姿勢椅子中心の生活長時間のあぐら姿勢強い内旋ストレスがかかる
歩行平地歩行坂道の繰り返し昇降関節圧が増加しやすい

※すべての方に当てはまるわけではありません。運動中や翌日に痛みが強くなる動きは避け、状態に合わせて負荷を調整してください。

変形性股関節症における体重管理と股関節への負担

股関節は体重を支える関節です。体重が増えると関節への負担も増えます。

急激な減量を目指すのではなく、

  • 無理のない範囲での体重管理
  • 食事と運動の見直し

が重要です。

急激な減量や過度な運動はかえって関節に負担をかけることがあります。医師や理学療法士と相談しながら、現実的に続けられる方法を選びましょう。

変形性股関節症のリハビリと注射・薬・手術の違い

変形性股関節症の保存療法には、

  • 運動療法(リハビリ)
  • 痛み止め
  • ヒアルロン酸注射

などがあります。

リハビリは「痛みを抑える」だけでなく、「動きの質を整える」点が特徴です。

変形性股関節症で手術を検討する目安

保存療法を続けても、

  • 夜間痛が続く
  • 日常生活が困難
  • 歩行が著しく制限される

場合には人工股関節置換術が検討されます(日本整形外科学会)。

術前に筋力を保つことは術後回復にも影響します。

高齢者(シニア)の変形性股関節症リハビリで大切なこと

高齢者のリハビリは「継続」が命

変形性膝関節症は、正しい運動を続ければ必ず改善の余地があります。

しかし、高齢の方は

  • フォームが分からない
  • 痛みが不安
  • 通院が負担

といった理由でご自身だけで継続するのが難しい場合が多いため、専門家の伴走が効果を高めます。

「痛いから休む」ではなく、「痛みを取るために安全に動かす」が基本です。

自宅での継続が不安な方へ

通院が難しい場合や、一人での継続が不安な場合には訪問リハビリという選択肢があります。

理学療法士がご自宅へ伺う出張リハビリが非常に相性の良いサービスです。

  • 痛みや不安をその場で確認できる
  • ご自宅の環境に合わせた改善方法を提案できる
  • 歩行・立ち座りなど「生活動作」の改善に特化
  • 病院通いが難しい方でも継続しやすい

RioToReの高齢者(シニア)特化のリハビリ/歩行改善コースでは、高齢者の膝痛に特化した理学療法士が担当し、安全かつ効果的なリハビリを提供しています。

初回体験(8,800円)では何をする?

  • 丁寧な問診
  • 歩行・可動域の評価
  • 理学療法士によるリハビリ体験
  • 今後の改善計画のご説明

「自宅で受けられるなら続けられそう」「通うよりも安心」という方が多く、ご家族からの依頼も増えています。

よくある質問|変形性股関節症のリハビリ・体操・可動域改善について

1. 変形性股関節症のリハビリは毎日行うべきですか?

変形性股関節症のリハビリは、基本的には継続が重要ですが、「高負荷で毎日行う」ことが目的ではありません。可動域体操や軽い中殿筋トレーニングは、痛みの出ない範囲で習慣化することが望ましいとされています(日本整形外科学会)。重要なのは、痛みが強い日は負荷を下げ、回数よりも質を優先することです。

2. 変形性股関節症のリハビリ体操で可動域は本当に改善しますか?

適切な体操を継続することで、可動域の維持・改善が期待できます。ただし、痛みを我慢して強く押し込むストレッチは逆効果になる場合があります。安全な範囲で繰り返すことが基本です。

3. 変形性股関節症の痛みがある日はリハビリを休むべきですか?

炎症が強い場合は負荷を下げますが、完全に動かさない方がよいとは限りません。可動域中心の軽い運動に切り替えることで動きやすさを保てる場合があります。

4. 変形性股関節症の進行はリハビリで防げますか?

進行を完全に止めるものではありませんが、関節への負担を軽減することで進行を遅らせる可能性があります(OARSI Guidelines)。

5. 中殿筋トレーニングはなぜ重要なのですか?

中殿筋は歩行時に骨盤を安定させる筋肉です。筋力が低下すると股関節への圧力が高まりやすくなります。適切なトレーニングにより歩行の安定性向上が期待されます。

6. 変形性股関節症で人工股関節はいつ検討しますか?

保存療法を続けても日常生活に大きな支障が出る場合に医師と相談のうえ検討されます。

7. 自宅リハビリだけで十分ですか?

軽度〜中等度であれば自宅体操でも対応可能な場合がありますが、不安がある場合は専門家の評価が望ましいです。

8. 足の付け根の痛みが強い場合はどうすればよいですか?

負荷を下げ、痛みが続く場合は医療機関へ相談します。

参考文献

  1. 日本整形外科学会 変形性股関節症診療ガイドライン
    https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/hip_osteoarthritis.html
  2. OARSI Guidelines for the Management of Hip Osteoarthritis
    https://oarsi.org/guidelines
  3. Cochrane Database of Systematic Reviews
    Exercise therapy for hip osteoarthritis
    https://www.cochranelibrary.com

【監修者プロフィール】

八幡 亮(やわた りょう)
国家資格:理学療法士(PT)

RioToRe代表。
回復期リハビリ病院にて4年間、脳血管疾患や整形外科術後の患者を含む2,000人以上の症例を担当。その後オーストラリア・シドニーでパーソナルトレーナー/指圧マッサージセラピストとして活動。

現在は東京を拠点に、理学療法士トレーナーによる高齢者専門の出張型パーソナルトレーニング・自費リハビリ「RioToRe」を運営。企業の健康経営サポートや講演活動も行い、最新のリハビリ知見を活かしたサービスを提供している。

<メディア出演>
テレビ東京「なないろ日和」出演
雑誌・Webメディアにて健康記事を多数監修

理学療法士トレーナー/八幡亮

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